【ストーリー】ゴールデンアワード2018エーファ編

(※架空/二次SS) 眠れる遺跡のアウトランダー
ゴールデンアワー2018エーファ編】

 

ヴィクトリア「コネクトゥォーオわわわわ?????」
エリアナ「ヴィクトリアさん!?」
エーファ「えーーー…。」
 
仕事の報酬としてもらったお菓子を、チョコレート傭兵団 団長であるヴィクトリア・ネルドが食べようとしたところで事件はおこった。

 

平原にそびえ立つ、朽ちた塔の影から突如現れた魔物が、ヴィクトリアのお菓子を奪って走り去ったのだ。
 
当然、そのような暴挙を許すヴィクトリアではない。
すぐさま追跡、奪還を試みようと力を行使したところで、ヴィクトリア体がふっと消えた。
彼女が立っていた位置に、突如現れた穴。
その穴に落ちたのだ。
 
エーファ「もう…嫌な予感しかしませんけど、これあれですよね。私たちの力に反応する遺跡シリーズですよね…。」
ヴィクトリアを飲みこんだ穴は、うっすらと青白い光を放っている。
 
エリアナ「…みたいだね。」
残された団員のエーファとエリアナは、団長が消えた穴を覗きこむ。

 

深さがどの程度あるかはわからないが、少なくとも落ちたヴィクトリアの姿は見えない。
エーファ「まあヴィクトリアさんに限って、死ぬってことはないでしょうけど…。」

 

ヴィクトリアはよくも悪くも、まっすぐなパワータイプだ。
遺跡脱出という行為を彼女ひとりで行うのは…はっきりいってとても不安である。
 
事態をとらえた副団長のエリアナが、行動を開始する。
エリアナ「…騎士さん、お願いします。」
エリアナの横に控えた騎士が、彼女を抱え、ぐっと穴へ進みだす。
 
エーファ「は~~仕方ないですね、私も行…。」
エリアナ「ううん。エーファさんは、ここにいてください。」
それは一見冷たいように感じられる、指示であった。
だが、エーファはすぐエリアナの意図を読み取る。

 

そう遺跡は“彼女”たち、ヴィクトリアとエーファの力に反応するのだ。
エーファが救助に向かうことで、二次被害が出ることも考えられる。

 

エリアナの心遣いに…、そしてそれを感じ取れた絆の深さに、エーファの心がむずりとくすぐられる。
エーファ「…まったくぅ、あのお菓子ボケした団長。さっさと回収してくださいよ。」

 

エリアナ「うん、いってきます。」
少女を抱えた騎士は、穴をぐわりと広げ、そのまま遺跡の深みへ落ちていった。
 
ひとり平原に残った少女の頬を、さわりと風がなでていく。
以前だったら、おいていかれた、振り回されたと不安や苛立ちを感じただろう。

 

だが、今は違う。
“おいていかれた”のではない。
みんながここに…“自分のもと”へ帰ってくるのだ。

 

エーファ(なら、私が目印になってあげてもいいですよ。ま、まあいちおう暫定参謀長ですしね!)
 
と、そこへ先ほどヴィクトリアが追いかけようとした、魔物が再び現れた。
ばちりと、魔物とエーファの目が合う。
エーファ「それヴィクトリアさんのでしょ!返しなさーーーい!!」
 
その後、魔物からお菓子を奪還しようと、うっかり力を使ってしまったエーファが、
ヴィクトリアと同じように穴に落ち、チョコレート傭兵団全員で遺跡に挑むことになったのだった。