【ストーリー】ゴールデンアワード2018エターナル・ロア編

(※架空/二次SS) 超魔道列伝アルティメットガール
ゴールデンアワー2018エターナル・ロア編】



我は、<魔杖エターナル・ロア>
昔は色々悪いこともやっていたが、最近の我はもっぱら小娘の保護者のような存在になりつつある。
いや、もう保護者だろ我…。
そして保護者とは、休みのないサービス業だと我は思う。
 
うん、休みがない。
だがしかし、やはり休みは必要だろう。
そう思った我は、久々に体を得、小娘と離れ、保護者という枠から脱したのだった。
 
我による、我のための休日である。
 
ここのところ、ピュア~な素材にされかけたり、宇宙へ行ったりと、
小娘の扱いに長年耐え抜いてきた我でも、きっついなと思っていたのだ。
 
体がもたないなーという気がしていたのだ。
我、杖だけども…。
 
なぁ我よ。
我は、慈愛の目を我()に向けつつ、きゅきゅっと柔らかい布でふいた。
 
っていや、体を得た状態だと杖たる我とのコミュニケーションが微妙な感じだな。
とりあえず…なんだ。
ひととおり、磨き終えたし、大気圏を突破した際についた焦げを称え、包帯でも巻いておくか?
 
リルム「ああああーー!いた杖泥棒!!!杖返せーーーー!!」
エターナル・ロア「いつも自分から手放すくせに、こういう時だけ早いのなッ!」
 
杖に包帯を巻いている途中で、小娘に発見された。
そうして我の体、正確にいうと我の体になっていた通りすがりの誰かの体が、あっさりと小娘に飛ばされた。
まあ大気圏までは飛ばされていないし、大丈夫だろう…。
ゆるせ、通りすがりの人よ。
 
リルム「杖の人、大丈夫?」
エターナル・ロア「……ああ。」
自分の意志で小娘と離れたのに、迎えにこられ、心配されると悪い気はしないのだから…。
我の保護者魂も大概だな。
 
リルム「んー…?なんだーこれ?」
小娘は、我が我に巻いた包帯に気が付き、眉をひそめた。
 
リルム「なに?杖の人、杖のくせに怪我したの?」
エターナル・ロア「いやこれはまぁ…。」
正直いうと、必要ないんだが…こう気持ち的に?お疲れ様~感を出して我を労わりたかったというか…。
 
リルム「だめだよ。必要ないのに、こういうことするとね。こう気持ちがぐーーーーって下がって、ぽきっと折れるよ。…ていうか折るよ。」
エターナル・ロア「怖いわ!?」
 
小娘が包帯をあっという間にほどいていく。
まあ病は気からともいうしな。小娘のいうことも一理ある。
 
エターナル・ロア「はーわかった、わかった。我…元気、超~元気。なんたって我ほど素晴らしい杖などいないからな。杖界の1位だしな!」
小娘に我の元気っぷりを伝えてみる。
 
リルム「そいうの、ちょっとどうかと思う。」
エターナル・ロア「えッ!?気分を盛り上げるための言葉は否定!?」
 
リルム「もういいやー杖の人、帰ろう。晩ごはんはっなーにーーかな~!」
エターナル・ロア「うん、知ってたー!小娘ってこうだよねッ!」
もう興味は別のことに移ったようだ。
 
嬉しそうに我を振り、今日の家路へと向かう小娘。
その動きに合わせ、夕日に照らされた我と小娘の影が楽しそうに踊っていた。