【ストーリー】ゴールデンアワード2018レッジ編

(※架空/二次SS) 黄昏メアレス
ゴールデンアワー2018レッジ編】

 

リピュア「レッジ、食べてくれないの?」
リフィル「味は保証するわよ。」
レッジが書類仕事と格闘している最中、差し入れと称したお菓子を持ち、ふたりの来訪者はやって来た。
 
リピュアが差し出したのは円形型のお菓子。
おいしそうに見えるそのドーナツへ、レッジはしかめっ面を向けた。
彼に悪気はない。
ただこれまでリピュアのお料理シリーズに痛い目をみている分、よい感情を表せなかったのだ。
 
レッジ「……喋るんだろ。」
リピュア「レッジ…ごめんね。リフィルと作ったその<食べられるウィール>は喋れないの…。」
しょんぼりとしたリピュアの感情に呼応するように、妖精の象徴たる羽すらしおしおとしていく。
 
レッジ「いや、違う…喋らないことを責めていない。むしろ喋るな!?というかなんだ<食べられるウィール>って!?」
リピュア「食べられるウィールだよ!」
レッジ「なんの説明にもなってない!」
 
リフィル「いいから、食べてあげなさい。」
大人げない、とリフィルが鼻を鳴らす。
 
レッジ「う、わかった。次の休憩時間に貰おう。」
今はとにかく時間が惜しい、食べるにしても、書類仕事がもう少し進んでからだ。
 
リピュア「うんっ!じゃあ食べ終わった頃に、お皿人取りにくるね!」
レッジ「?……あぁこの皿のことか…いやいい。あとでこちらから返しに行く。」
差し入れをして貰ってなお、迷惑をかけるほど、礼儀知らずではない。
それに素直にこそ受け取れなかったが、レッジにも差し入れの意図は伝わっている。
 
リピュア「わかった、待ってるね!」
レッジがお菓子を受けとったことで、ふたりはあっさり踵を返した。
 
そうして室内は、レッジひとりになる。
 
それから書類の山に頭を悩ませることいくばくか。
やっとたどり着いた休憩時間。口にした甘味は疲れた体に、優しく染み渡った。
 
レッジ「うまいな…。」
思わず呟かれたレッジの言葉に、彼しかいないはずの部屋から返答がある。

 

お皿人「う~れ~し~い~~~!」
 
レッジ「くそっ!しまったそっちか!?」
声は<食べられるウィール>をのせてあった皿からだった。