【ストーリー】ゴールデンアワード2018エニィ編

(※架空/二次SS) 響命クロスディライブ
ゴールデンアワー2018エニィ編】

 

エニィ「今から…三角勝負を、開始します!」
唐突にエニィが発した言葉に、その場にいたレリッシュとミスティハイドは、興味深げな視線で先を促した。
 
エニィ「勝負はね、いい三角を私にけんじょう?した人が勝ち。」
手に入れ難い宝をそれぞれ持ってこさせ、競わせるという物語を、この前読んだのだ。

 

仲間に無理難題をふっかける気などないが、お宝を持ち寄ってあれやこれやするのは、面白そうと思いやってしまった。
 
レリッシュ「なるほど、いいですよ。」
ミスティハイド「ああ私もかまわない。ユニバーサル忍法が三角探しにも活かせることを、御覧いれよう!」
突然、持ち掛けられた勝負だが、ちょうど時間を持て余していた、ふたりに異論はなかった。
 
なにより勝負と聞けば、熱が入る。
治安を守る側に所属しているとはいえ、彼らが好戦的であることは否定できない。
 
エニィはどこからか出した小さな鐘をコォーンと鳴らした。
エニィ「さあ、戦いの火蓋が今落とされました…!」
 
ざっくりと時間を決め、散開したふたりが、十数分後に再び戻ってくる。
 
エニィ「おぉ…!これは…。」
エニィの手には、ディライブされた三角形のフォーク。
ミスティハイドが持ってきた“お宝”である。
 
ミスティハイド「ただ三角なだけではない。強度も申し分なく、暗器への可能性も秘めている三角だ!」
自慢げに“お宝”紹介する彼女は、忍者視点からのおすすめも忘れない。
 
レリッシュ「ふっ甘いですね、ミスティハイドさん。単体の三角で満足とは!」
ミスティハイド「なに!?」
 
レリッシュ「さあどうです?三角ケーキに、三角チョコをのせ、苺もわりと三角、とどめに三角の旗でさらに三角です!」
エニィ「おぉぉ!…三角!」
レリッシュが差し出した“お宝”は細工の凝ったケーキだった。
 
ミスティハイド「くっ!重ね技か…やるな…。」
エニィはさっそく献上された、三角フォークで三角ケーキを食べる。
エニィ「おいしい。」
 
ミスティハイド「それでどちらが勝者だ?」
ケーキのおいしさに捕らわれていたエニィがはっとした。

 

どうしよう、どっちもいい三角だ…。
 
エニィ「うーーーーん…。」
レリッシュ「その様子だと、引き分けといったところでしょうか?」
ミスティハイド「そのようだな。」
 
エニィ「ごめん…ね?」
レリッシュ「いえ、勝負は楽しめましたし。」
ミスティハイド「ああ。」
勝者も敗者もいない結果となったが、皆満足げだ。
 
エニィは再び、ケーキへ手をのばす。
ぱくりと三角の欠片をほおばり、口内へ広がる甘味をじっくり堪能してから、口を開いた。
エニィ「これにて、一件落着!」