【ストーリー】謹賀新年2019→ライブを越えた先…

(※架空/二次SS) アイドルωキャッツ!
【謹賀新年2019→ライブを越えた先…】

 

ガトリン「ぞばようございまーす!」
リルム「ちーーっす。」
きゃっつ控室の扉を開けたガトリンの目に映ったのは、同じアイドルグループのメンバーであるリルムだった。
 
ガトリン「おや?リルムさんおひとりですか?」
エターナル・ロア「一応、我もいるがなッ!他のメンバーは別の現場からスタジオへ直行するらし…いぃ!!!?」
暇をもてあましたリルムに、素振りの道具として振り回されている魔杖エターナル・ロアが律儀に答える。
 
ガトリン「ほうほう。」
味気ないパイプ椅子をきしりと鳴らし、ガトリンは腰を下ろした。
 
リルムも素振りに飽きたのか、同じように空いている椅子にとんっと座る。
素振られまくった魔杖は床に放置されたが、それをどうこうしよう者はこの部屋にはいない。
エターナル・ロア「………。」
 
ガトリン「…は!? そういえばこの前、四聖賢の弟子の人と会いましたよ。」
空き時間の暇つぶし…、他愛のないおしゃべりの話題に選ばれたのは、四聖賢のウィズの弟子である”黒猫の魔法使い”の話だった。
 
リルム「あー黒猫の人、私も会ったよ。ウィズの店でめんつゆ飲んでた。」
ガトリン「さすがー違いの分かる弟子の人ってやつですね~。」
エターナル・ロア「いや、意味がわからん…。」 
 
リルム「んー……んんー。 あれ?そういやさ、黒猫の人死んだって言ってなかったっけ?」
 
~回想~<ウィズ「アタイの弟子はそれで死んだニャ。」>
 
ガトリン「いやいや~、この前ウィズさんの店の飲み物を薄めながら聞いたじゃないですか。」
リルム「そだっけ?」
 
ガトリン「ええ、なんでも<いいえ><はい><リタイヤ><OK>を押して死んだけど、人生の終わりは迎えてなかった…ってー。」
エターナル・ロア「…相変わらず何かを超越している気がするな、あいつは。」
 
リルム「あーそっか。生きてたね黒猫の人も。」
ガトリン「全滅のあとのあれーわかりにくいんで、コンティニュー含めもうちょっと変わって欲しいですけどね。 求ム!改善!!」
 
エターナル・ロア「うん…杖の我が言うのもなんだが、お前も何か超越している部類だったな。」
ガトリン「いや~ナースたるもの、超越してなんぼですから。」
エターナル・ロア「…………。」
 
リルム「杖の人は細かすぎるよね。そういうとこよくないと思う。」
エターナル・ロア「ええーーー…。」
 
ガトリン「スベテドウデモヨクナールを処方しましょうか?」
エターナル・ロア「怖いわッ!!」
 
とそこで、不毛な会話を断ち切るように、コンコンコンと扉が軽くノックされる。
リルムとガトリンの返事が重なり、“どうぞばばー“という妙な言葉を返されたのち、扉は開かれペオルタンが顔を覗かせた。
 
ペオルタン「おうっ!オメエたち相変わらずピュアなトークを炸裂させてるなー。」
ガトリンリルム「「ベイベベーイ!」」
ペオルタン「よーしアイドルらしいピュアさMAXだ!その調子で今日の収録も張り切っていくぞーー。」
 
エターナル・ロア「相も変わらずピュアで流し過ぎだろ。 まったくこれのどこがピュアな挨拶なんだ…。」
ペオルタン「魔杖の~、濁点のところとか最高にピュアじゃねえかー。」
 
ガトリン「濁点のピュアさがわからぬとは、ふっ!まだまだですね。」
エターナル・ロア「えーーーー…。」
 
そうこうしているうち、リハーサルまで時間は迫り、
アイドルたちはバタバタと準備を終え、室内はあっという間に静かになった。
 
そして魔杖エターナル・ロアは静かになった室内()に取り残される。
 
エターナル・ロア「……うん…置いていかれるだろうなーと我も思ってたー。」
ペオルタンとも普通に会話していたが、素振られたあとから継続し、床に放置されていたのだ。
 
徐々に遠ざかるピュアさMAXらしいベイベベーイの掛け声を聴きながら、すっかりリルムの保護者と化したエターナル・ロアは思った。
とりあえず今日も小娘が元気そうで、何よりだなーと。