【ストーリー】覇眼戦線4 とけない誤解

(※架空/二次SS) 覇眼戦線
エスト中級と上級の間にこんな話があったかもしれない的な捏造。
【覇眼戦線4 とけない誤解】

 
ルミア「無事で……よかった。」

 

スア家騎士「ルミア様……。」
スア家の騎士である我らは、ゲーの配下となることを拒み離反。
無様にも戦場で敵に捕まり、助け出され今に至る。

 

騎士でありながら守るべき、ルミア様や領民と離れるなど、常軌を逸しているという自覚はあった。
だが、理屈でなく感情が許さなかったのだ。

 

ゲーの配下となる位ならば、我らのみで挑み、敵を足止めをすればよい。
離反した時は、そう思っていた。
結果、先代ミツィオラ様の忘れ形見であるルミア様含め各方面へ多大なる迷惑を掛けた。

 

そんな愚行を犯した我らに対し、無事を喜んでくれるルミア様。
年端もいかぬ少女から向けられる眼差しに、騎士としての心が正常に戻る。
なんと愚かなことをしてしまったのか…。
スア家騎士「…申し訳ございません。」

 

だが、ルミア様の横にいるゲーの若造はやはり気に喰わん!
助けられた借りがあるとはいえ、なんというか生理的にも気に喰わん!!

 

何故ルミア様の横に、さも定位置のようにいるのだ。
若造を一睨みしてから再び、ルミア様へ視線を戻す。
仇の血族が横にいるというのに、前回同様ルミア様に相手を憎んでいるようなそぶりは見られない。

 

それどころか…憎き若造に対し、家族の様な気を許した空気すら感じる。
いかん、これはいかん!?
つまりはそういうことなのか!?
年頃の男女が、…つまりはそういうことなのか!?

 

だが、スア家に残るはルミア様おひとり。
譲るならば、子がふたりいるゲーだろう。
そう思ったが故に、我慢できず口からまず文句が出た。
スア家騎士「百歩譲ったとて、おふたりの婚姻ならば、スア家にゲーが来るべきであろう。」

 

アリオテス「へ?」
相手の放った言葉に虚をつかれ、アリオテスの口から妙な声が出る。
眼前の騎士から憎悪をぶつけられることを覚悟していたアリオテスに、彼の放った言葉は容易に理解できるものではなかった。

 

メンジャル「な、なんだとアリオテス様をルミア様の嫁に…だと!!」
主より先に意味を理解したのは、後ろに控えていたゲー家の騎士メンジャルである。
アリオテス「お…落ちつけメンジャル、そこは婿にしてくれ。」

 

アシュタル「そういうことでもねえよ。」
同じく、後ろに控えていたアシュタルから突っ込みが入る。
アリオテス「は!?そうだった。だからそんな関係じゃないんだよ!」
ルミア「うん、そうね。」

 

スア家騎士「………ふうむ。ではそういうことにしておきましょう。」
真っ向方から、婚姻の話を振られれば照れぬのも必須。
年頃とはそういうものだろうと、彼は勝手に解釈する。


アシュタル「……………。」

これ以上付き合ってられないとでも思ったのか、
アシュタルはルミアをひょいと抱きかかえ、スタスタと別の場所へ移動してしまった。

 

アリオテス「うう……。」
残されたアリオテスは当初覚悟していたものと違う方向でどっと疲れるのを感じ、がくりと項垂れる。

 

その様子をさらに離れて見ていた、3つの影のうち1つがぽんっと手を打つ。
アーサー「なるほど、三角関係というやつだな!」
ガウェインアーサー王、もう少し人間関係に聡くなりましょうや。」
アーサー「え?だから三か…。」
トリスタン「その手の才能がないことはわかっていましたが、壊滅的ですね。」
 

異界(イベント)別SSリンク集