【ストーリー】Happy Valentine

(※架空/二次SS)
【Happy Valentine】

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ウィズ?「アタイにチョコとか、チミ正気かニャ。」
一応師匠だから…と、君はビターすぎるチョコを噛み砕いたような顔で、猫()に微笑みかけた。
 
ウィズ?「やれやれ、さすがはお人好しの権化ニャ。」
()は君からチョコを受け取る。
鼻息を聞く限り、まんざらではないようだ。
 
ウィズ?「……お返し期待しておくといいニャよ。」
存外律儀だなと思いながら、君は返した。
お菓子だったらなんでも嬉しい、と。
 
ウィズ?「…………。」
え?お菓子の話だよね?
 
ウィズ?「……………。」
()は何も答えない。
ただ闇深い空間に、鼻息が静かにこだましていく。
 
ウィズ?「………3倍ニャ。」
俗にいう、ホワイトデー3倍返しというやつか。
気前がいいんだなと思いながら君は再び尋ねた。
…お菓子の話だよね?
 
ウィズ?「…………。」
鼻息を優美にならし、猫()は再び口を閉ざす。
 
()の行動に、君の心は言いようのない不安にかられた。
それはさながら、皆に配られているはずの義理チョコが、自分だけ配られなかったような焦燥にも似てい……。
 
いや?何を考えているのだろう??
バレンタインデー?義理チョコ??
 
…そういえば自分は何故ここにいるのだろう。
この空間は一体…と君の意識はそこで、ぶつんと断ち切られた。