【ストーリー】空戦のリベリオン-Gate Defenders-

(※架空/二次SS) エス=アリアス
コラボ協力バトル『空戦のリベリオン-Gate Defenders-』に、もしストーリーがあったら?…のIF。
【空戦のリベリオン-Gate Defenders-】

 

エス=アリアスに時折生じる『異界の歪み』。
その歪みからやって来る脅威に立ち向かう存在、それが境界騎士団である。
 
彼らが居を構える本砦に呼ばれた君とウィズは、武骨な騎士とは縁遠そうな、女性と対面していた。
 
柔らかい微笑みで君たちを迎えてくれた、彼女の名はオルハ。
『異界の歪み』の存在を感知し、消失を早める能力を持っており…騎士団の中でもかなり重要な人物である。
 
そして、その力を生かし『異界の歪み』についてレポートをまとめ、君に独自調査を依頼してくることもあるのだ。
今回呼ばれた件も、きっとそういった用事だろう。
挨拶を終えたオルハが話す内容は、君の予想通りだった。
 
オルハ「今回『異界の歪み』から出現するのは……。」
手に持った紙をめくりながら、オルハは話を進める。
 
発生した歪みの調査、そして歪みから現れる“何か”について、確認してきて欲しい、と。
もちろん、お人好しな『黒猫の魔法使い』の君としては、断る理由などない。
二つ返事で、引き受けた。
 
ウィズ「…そう言うと思ったにゃ。」
肩の上でウィズが、面倒くさそうにぽつりと呟く。
 
ウィズも断る気はないくせに。
素直じゃない師匠に苦笑しながら、君はさっきの話で気にかかったことを尋ねる。
歪みから現れる“何か”とは、魔物だろうか?
 
オルハ「そう…ですね。魔物ではないと思うのですが…。」
“何”かと表現した通り、彼女にもはかり兼ねているのだろう。
 
ただ、歪みから現れた相手が仲間になる可能性だって、ゼロではない。
実際、境界騎士団にはそういった異界出身者が多く所属している。
 
君は敵じゃないといいなと思った。
オルハ「ですので、それを確かめるために、空へ飛び立っていただこうかと!」
え?
君がまだ見ぬ相手のことを考えている隙に、…妙なことを言われたような?
 
言葉の意味を理解する間もなく、オルハの笑顔に押し切られる。
そうして君は、同じようにオルハに呼ばれていた魔法使いたちと共に、それぞれよくわからないまま、よくわからない機体に押し込められた。
 
ウィズ「キミ押されすぎにゃ…。」
ウィズだって…と、君は一緒にコックピットへ押し込められた師匠に言い返す。
 
 
オルハ「それは今回の『異界の歪み』から現れた“紅蓮聖天八極式”と“サザーランド・エア”です!それで空へと飛び立ち、存分に調査してきてください。」
 
ええ?と思いつつ、君はよくわからないまま、とりあえず操作してみた。
魔法が銃口から飛び出していく。
 
なんだこれ…と君は思わず、突っ込んだ。
 
とはいえ、なんとかなるもんだなと君は早速、空へと飛び立つ。
ウィズ「……いや、キミ順応力高すぎにゃ。」
 
 
同じように空へ舞い出た君たちは歪みの中心に現れた、 “何か”と対峙する。
空を舞う白い機体を見た時、君とウィズは何か忘れているような…不思議な既視感に捕らわれた。
これと似た機体をどこかで見たことでもあったろうか?
 
君はふ、と白い機体へ話しかけようとする。
しかし、君たちの姿を見止めた白い機体が、明らかな攻撃体制を取ってしまったため、それは叶わなかった。
 
ウィズ「…敵意があるみたいにゃ。」
残念だけど、そうみたいだねと君はコックピット内で、カードを構える。
どうやら穏便には行かないようだ。
 
他の面々も、雰囲気から察し、戦いの構えを取る。
君たちはそれぞれ乗り込んだ機体の中で、それぞれの魔法を展開していく。
 
どうやら真紅の…オルハが“紅蓮聖天八極式”と言っていた機体だけ、性能が違うとわかってからは、その機体を中心に皆が動いた。
 
まるで全ての魔法使いが『黒猫の魔法使い』であるような、見事な連携だ。
 
ウィズ「にゃはは、頼もしいにゃ。」
コックピットにも慣れ、暇を持て余したウィズが、どこからか持ってきた黒いマントを羽織ったりして遊んでいる間にも、君たちの猛攻は続く。 

ウィズ「キミの実力にあった難易度を選んでランスロットを撃退して欲しいにゃ。」
え?

ウィズ「行動の果てには結果という答えが待っているにゃ。例外はないにゃ。だからがんばるにゃ!」
????
…えっと、ウィズ…それは?
 
突如、謎の言葉を熱く言い放っていく師匠に戸惑い、問いかける。
ウィズ「なんとなく言いたくなったにゃ。」
ウィズ自身もよくわかっていないようで、言い終わった今は不思議そうな顔をしている。
 
なるほど、そういうこともあるかもしれない…と君は納得することにした。
きっと色々…なんかこうアレでコレなことも、世の中にはあるんだろう。
 
そうこうしているうちに、無事歪みは収束した。
調査したといえるのかは、少し危ういが『異界の歪み』が消えたのだから結果的には問題ないだろう。
仕事を終えた君たちは、空から本砦へと戻る。
 
 
オルハ「お疲れさまです。」
機体から降りた君たちを笑顔で迎えるオルハ。
『異界の歪み』が消失した嬉しさからか?頬が随分紅潮している。
 
アネモネ「オ、オルハさんこんなところに!?」
オルハとは対照的な、蒼白ともとれる顔で走って来るアネモネの姿が見えた。
境界騎士団の副団長である彼女が、あれほど焦っているとは…。

アネモネ「黒猫の魔法使い殿、何故ここに?」
オルハの奥にいた君とウィズを視認したアネモネが、驚きの表情を浮かべる。
 
ウィズ「にゃ!?」
自分たちがオルハに呼ばれたことを、知らない?
……どうにも話が謎めいてきた。
 
と、そこでオルハが勢いよく声をあげる。
オルハ「紅蓮、舞う。この紅蓮なら!紅蓮を舐めるな!弾けろ白カブト~!」
ウィズ「にゃにゃ!?」
オルハ「うふふふ、空戦のリベリオ~~~ン!」
えーと?
 
君の戸惑いを感じたアネモネが、説明を入れた。
アネモネ「ここしばらくオルハさんは、高熱で寝込んでいたんです。」
きっと今も熱のせいで朦朧としているのだろうとアネモネは言う。
 
ウィズ「にゃ、にゃ~~~…。」
アネモネ「ベッドを抜け出して、どこに行ったのかと…。」
み、見つかってよかったねと君は言った。
 
アネモネ「はい。さあオルハさん、部屋へ戻りましょう。」
オルハ「魔法使いたちよ!ここに集え~。」
先ほど、会った時は普通に見えたが、なるほど…今は君たちにもわかるほど様子がおかしい。
 
オルハ「…あら?空が…空がまわっていますうぅぅ~…。」
アネモネ「あッ、オルハさん!?オルハさーーーん!」
その後、駆けつけた騎士団主要メンバーに付き添われ、目を回し倒れたオルハは厳重にベッドへと寝かしつけられた。
 
 
ウィズ「…け、結局アレはなんだったにゃ?」
なんだろうね。
取り残されたウィズと君は、先ほど戦った相手を思い、なんとも言えない気持ちになった。
 
謎は残ったものの、実際『異界の歪み』は発生していたのだし、向こうにも敵意があったのだ。
最後かなり派手に弾けたようにも見えたが、なんだかんだいってあの爆発で元の異界に戻ったような気がする、いや戻った。
多分、大丈夫だろう。
 
ウィズ「キミもなかなか図太くなったにゃ…。」
そうかな?と言って、君は新たに契約した2枚のカードを懐にしまった。
 

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